一色先生のコラム

食品微生物とともに生きるために

北海道大学大学院水産科学研究院安全管理生命科学分野  一色賢司 本シリーズは、食品取り扱い関係者のご要望により、食品と微生物の関係を考えるときの参考となるように書き始めたものです。

第4話  良い原材料、良い環境、良い衛生管理

食生活は、多かれ少なかれリスクを持っています。リスクを最小化する努力は、 食品の原材料を調達する農林水産業から食卓までの全ての段階において必要になります(6,7)。

HACCP(危害分析重要管理点方式)システムも、未知あるいは予測できない危害や制御法のない食品には適応できません。 1996年の腸管出血性大腸菌O157:H7感染症の多発から得られた教訓は、 食中毒対策のみならず、感染症対策も食品の安全性確保には必須であるということと、感受性の高い人達がいることの認識です。

食品安全アプローチ

また、食中毒等の万一の発生に備えて、原材料の由来や作業内容の記録、製品の出荷先の記録、さらには速やかな回収措置(リコール)の維持管理も必要です。 微生物制御は、微生物の種類が多く、食品の種類も多いことから、更なる研究開発が強く求められています。

良い原材料、良い環境、良い衛生管理が整えられない事態も、想定しなければなりません。 良い原材料が足りなくなる日への備えは十分でしょうか? 自ら食品衛生の研鑽に務めることが大事です。さらに、困った時に頼りにできる専門家の養成にも務めることも大切です。

【つづく】

文献:
6) 森田倫子:農場から食卓までの食品安全、レファレンス、N0.620、83-108(2004)、
7) 一色賢司:農場から食卓までー食の安全性確保ーフードチェーン・アプローチを大切に、食品衛生学雑誌、47, J1-3(2006)

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